人間だから面白いのにモッタイナイことがある~人工知能を意図的に止めてみないか?
人工知能の進歩と適用がニュースになっていきそうな2016年。
ちょいと立ち止まって考えてみたい。
「だからどうした」というご意見がひとつ。
「エライコッチャ」というご意見がもひとつ。
将棋での話だが、以前、日本の名棋士がこう言った。
将棋がコンピュータによって完全解明されてしまったら、どうするんですか。という質問に、羽生はケラケラ笑いながらこう答えた。
「そのときは桂馬が横に飛ぶとかルールを少しだけ変えればいいんです」
少しルールを変えると、べらぼうに可能性が広がっていく。
それが論点ではない。羽生善治氏はたぶん、
「将棋は永遠に人間の競技ですよ」
と宣言したんじゃあなかろうか。
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人間は疲れるし、突如として元気になったりする。
衰える人もいれば、一瞬、飛躍的な伸びを示す人もいる。
プロテニスの世界で新技がある天才によって編み出されている。
これ、昨日の全豪OPでも出るか? と話題になった。
sneak attack by Roger、略してSABR(セイバー)。リターンで仕掛ける奇襲戦術です。
動画を見てもらったほうが「うへぇ!」となるんだけども、
これ、成功したらほぼ確実に相手は構え遅れするんですよね。
テレビでだけどリアルタイムで観たことがあって、
「えげつねー!」って声出した記憶があります。
こういうこと、思いつくのかな、機械。
余談ですが、テニス分析・解説にはあの人工知能「ワトソン」が
去年から導入されています。
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少子化と言われたり、野球をする子の割合が減っている中、
高校野球に先発・中継ぎ・抑えの概念を必須事項として
採り入れている高校のお話。
タイトルの「機動破壊」というのは、
とにかく前の塁を獲るために盗塁をバンバン仕掛けるという野球。
これ自体をよく勉強していれば、リンク先の本文の
「セイバーメトリックス」論とは矛盾していることは、置いておく。
健大高崎が大きく成功することがあれば、
もしくは、他に同じ考えをする高校が台頭してくれば、
この高校野球における投手の分業化は進むんじゃないか、と思う。
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人間はなかなか賢いなーと、ほんと思う。
たしかに、単純な賢さを、となれば
将来的にも今でも、機械には敵わないかもしれない。
けれども、人間が考えて実行するからおもしろいわけで、
機械が考えたことを実行しただけでは、
あんがいおもしろみに欠けてしまうんじゃないか、とも思う。
笑えない話だけれども、
といったニュースを見て「これだから人間は」と言うのは早計。
ほんとうはミサイルの発射はあったのかもしれない。
それを誰かが揉み消しているのかもしれない(厨二病)。
ただ、こういうことは人間に判断してもらいたいし、
人間が判断するからこそ、いろいろな考えもはたらくわけで。
機械に戦争を促されるんじゃ、たまったもんじゃないし。
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人間ゆえに、こういう過ちもある。
「夕食中に自分にガンをつけてきたので頭にきた。人生に悔いはない」と容疑を認めている。
警察の取り調べからの引用だろうから、鵜呑みにはできない。
けれども、だいぶおかしな人間なんだろうと想像はできる。
もしくは、警察も呆れるくらいの非人道的な野郎なのか。
そういうことを読み取ろうと努力するのは人間だし、
こういう記事を作り上げてしまうのも人間だ。
正確だから正解だからと、なんでも機械にやらせるのは、
どこか、あそびがなくて人生を窮屈にしてしまう気がする。
ちゃらんぽらんにすればいいってことじゃない。
ゆるい余地のようなものがないと、息苦しいということだ